終末ライフ

捨てたものがまた欲しくなるんだね。欲しくてたまらなかったはず、棚の上におかれたソレ、見えず、手を伸ばすだけで、背伸びをするだけで手に取れるはずなのに、もはや立ち上がることも楽しいと思えなくなっていた。心の弾むこと、琴線に触れること、攻撃的…

僕を使ってよ

夜になるの、怖いことじゃなくなったな。朝が来るのが、怖くなったな。昼間は、ひたすらに終焉を願う。 毎日が革命前夜であった。在庫の切れた多感な時期は、しばしば興奮と同等に観測される。形容するのもおこがましく、掲揚するにはお子様でいた。海、霧の…

日和見主義

ねえ、月の見えないこんな夜には、あの人に会わなければいけない気持ちになるの。一人でいるのに耐えられないなんてことは、なかったはずなのに、俺は今、ふつふつと湧き上がる感情に流されたくている。酒を飲みたくている。素面でいられない。酒だ、酒を持…

動く普通

胸に残る情熱の日々、あの一時をもう一度という足掻き、あの日無意識に焼き付けられた刻印と、怒る度に浮き出る涙の跡よ。そろそろ出会うはずだ、と思ってからどれくらいの時間が過ぎているのだろうか。俺の壁は未だに崩されず、壊されたいばかりでいる、可…

またひとつ整っていくんだ

頭のねじの数十本外れて、そこに花束がさしてあるような、あの人は、あの遠くを見ているような人にしか懐かなかった。そうして、僕は発狂した。僕を愛してくれたあの子を、僕が殺した日、僕は発狂した。僕は発狂したくない。発狂の後には落下が待っている。 …

夢、幻像、気狂い

不思議な気分の夢を見た。少し寒気のするような、けれど美しいもののような。やけに明確に覚えている。気持ちの悪いほどだ。高熱の出て、汗とともにその熱のひいたような、そんな寒気がする。快方に向かっているが、体は汗にまみれている。開放に向かってい…

吐くまで嘘を

転機にはいつだって俺は死にたくなるんだ。節目節目、それが大きくあろうと、小さくあろうと、ね。やあめた、笑って俺は言う。やあめた。殺めた、笑ってあいつは言う。殺めた、と。似ているばかりに大人しく、熱い紅茶の中にさえも、その残像、残る。人間機…

日々はあったか

馴れ合い行脚もうんざりだね。一日に数本のcherryだけで乗り切るには、やや分が悪いか。偽善、自己愛、中心部。偽悪、自己愛、取り巻きとくらあ。僕の手にあるのは、イカレた体に乾いた精神。脳はいつもどおり、どこかに落としてきた。ただ繋がるためだけに…

しがらみコンスタント

時がたって、昔思っていた場所とは違う、それも考えたことさえないようなステージに立っている、そんな夜がある。君に会うはずだったのに、気づけば一人でいるような。ねえ、あの、僕を形作ったあの人は、今はどこでどうして暮らしているのだろうね? 色のな…

否定の名

不幸自慢に自意識自慢、お洒落自慢にひねくれ自慢とくらあ。縛られてからは、何も書けず、あの家の前、坂に置かれた空き缶のようだね。否定を恐れて何が書ける。拒絶を恐れて何が書ける。刺されるのを恐れて何が書ける! 伝えねばならぬ。 怒りを書こう、あ…

ぽたん、ぽろろ、ぽたん

何が欲しかったの。それとも何もいらないの。わからんね、なーんも、かーんも。えへら、と笑う。俺の特別は、きっとあの人にあげてしまったのだと思う。未だ残像を追い求めている。それは消えゆく影なのか、それとも俺を照らすものなのか、それも未だわから…

アルマジロ・アルマジロ・アルマジロ

こんな夜には全部、ぶち壊したくなるんだ。こんな夜には君も、ぶち殺したくなるんだ。こんな夜では僕は、いてもたってもいられなくて。こんな夜に僕は、煙草ばかりに頼っているんだ。消えてしまえばいいんだ、何もかも。なんてね、なんてね、誤魔化して誤魔…

バックドラフト、また腐った俺の脳が何か記憶を呼び覚ますように

俺は悪くない。俺は悪くない。俺は悪くない。そうして時間が過ぎ去る。俺は悪い男だ、これも三回分。いや、後者は数万回かもしれない。数日を過ごし、必要だと言われること、それに俺は答えを出すことができず、三度口に出すことで傷。ドブ野郎、犬人間、そ…

悪くない

落下の来ることのなく、日をすごす。いやに安定した日々のあとに、のたうちまわる時間が来るだろうことを俺は知っている。そんなの悲しいね、なんて君は言うだろうけど、そう悲しくもないのでないか、なんてね、僕は思うよ。そういえば君はこんなことも言っ…

嘘を吐いてはいられない

全ては単純でよい。複雑なことなど、あってもなくても変わらぬものだ。 愛すること、憎しみあうこと、痛むこと、癒すこと。全ては元来単純で、そこにしがらみが付随することでわけのわからぬ魔物になる。それは黒い大きな体をしていて、目が無数についている…

いつだってふたりなのにいつだってひとりだった

あの可愛い子と夢を見ている間も、僕の一部、破滅主義の部分が凍るようでいる。楽しいだけで終われるべくはない、美しいだけで死ねるべくはない、愛し合うだけで生きられるべくは! 僕の理想主義の部分が、悲しいだけで終われないし、汚いままに死ねない、憎…

愛すべき欲望に捧ぐ

何もかもが消えていった。中途のまま、志半ばで死んでいった。愛を探して気づけばなくしていた、なくすこと、それを思い出すこと、そんなひとつひとつが必要なんだ、と僕はつぶやく。あの人の影が、僕に必死さを求める。あの人は隣になんていないのに、それ…

ドラムセットからタムをひとつ外した日の話

あの子の時は止まっている。追い求めること、忘れたくないこと、認めたくないこと。そのどれもが縛るのだと思う。酒も煙草もなければ、俺はそんな時間を生きていけるのだろうか。今の俺は死にたくなんてない、世界はそれほど嫌なものでないし、愛する人がた…

魂と心臓が止まっている

そうして、彼女は笑うのであった。言いたいことがあった、しかし、それをその場で叫ぶ時代はもう終わってしまったのかもしれない。感情を押し殺し、あるいは誇りをねじまげて、それでも堂々とたっていること、存在を証明すること。僕が世界を愛するならば、…

絶望、そしてその果てに見るもの

どうにも安定していた。落下さえも予想の範囲に収まり、仮定された事象は全てがその通りに進み、まるで、考えたことしかこの世にはないようだった。けれど、ふいに安定は崩れた。あの子は、恐らく俺に真なる抱擁を望んでいたのではない。おそらく、俺は腰掛…

発狂、そしてその現実とは

あの人に会うために寝てばかりいた。夢の中で僕はエロいことをいっぱいした。これが抑圧された性欲の表れだというならば、僕はずっとあの日に憑かれたままなのだろう。 「いい関係でずっといるのって、難しいことなんですかね。いつのまにか疲弊している気が…

みじかい夏は終わっただよ

あの子は探している、取るに足りない幻想を打ち負かす美しい現実を。僕は求めている、くだらない現実をぶち壊す狂ってしまった夢を。何度かひっくり返して、今はこちら側に立っている。いくらかの時間と世界が過ぎれば、僕はまた向こう側に立って、こちら側…

鉄の頭に木の身体

あの子を犯して、それから僕はどうするっていうんだろう。ぼんやりと笑っている。それは、償いと呼ぶべきものになるのだろうか。その後、遺書に、僕を忘れてくれと書くか、僕を忘れてくれるなと書くか、それさえもわからないというのに。鉄の鼠が俺の足指を…

アンチ睡眠リバース安眠

悲しいだけじゃ救われない、楽しいだけじゃ報われない。等しいだけじゃ終われない、愛しいだけじゃ壊れない。走り去るスーパーカブ、ヘルメットには黒猫のステッカー。それが、新しい世界の幕開けだ。ただその日を思っている。過去は、過去においてきてしま…

滾らせ

現実は俺を殺すな。希望はここにあるはずで、ずうっと僕は手に持っているのに。なんてか弱い光なのだろう。軽々しく望むな、偽善笑いで僕は言う。そんな言葉に納得なんてさ、できるわけないだろう! 何度も何度もひっくり返して僕はここに立っているはずなの…

猿でもわからない

金が無くて首が回らないよと笑っている。俗世的な、あまりに俗世的な、こんな日は音楽に限る。現実を置き去りにしてビートは進む、かといって幻想に生きるわけでなく、悲しみの先にかすかな希望が見える。煙をくゆらしながらのMy Funny Valentineに涙が出る…

八月に降る雨

所詮性欲、所謂性欲。過去の話は好きかい。俺は嫌いだよ。過去の話をしよう。 僕のことを好きだといってくれた女の子もどこかへ消えた。雲ひとつ無いならば、太陽よりも輝くあの子を見たかった。雨が降るなら、雨に濡れるあの子を見たかった。全部自尊心のた…

非力なる

無理に作った嘘の寂寞、狂ったような無用の後悔、思い出に生きる俺の矮小さ、か。信頼は悲しいね、とあの人は言った。俺はそんな言葉を聞きたくはなかった。あの日、俺の愛する人は、俺の理想像であったから、あの人は俺の尊敬を浴びせられて、辟易していた…

少年よ、悩め

今、文章を書いている。小説とも呼べぬ、散文とも呼べぬ代物であるのは間違いない。そいつは、いつもここに書き連ねていることが散文足りえないように。焦燥文学とでも名づけるか。は、乾いた冗談だ。 風がやってきている。 僕は若くて、無力で、とても悲し…

おめでとう

夕暮れ空がいなくなってしまってから、15mgがやけに重い。心の臓を縛っている心地がする。ヘッドホンの締め付けもやけに強い。圧迫感はそのまま開放の日を思わせる。俺は、いくらも繋がれていないのに、いくらでも箱の中の気分でいる。どちらかに転びがちな…