動く普通

胸に残る情熱の日々、あの一時をもう一度という足掻き、あの日無意識に焼き付けられた刻印と、怒る度に浮き出る涙の跡よ。そろそろ出会うはずだ、と思ってからどれくらいの時間が過ぎているのだろうか。俺の壁は未だに崩されず、壊されたいばかりでいる、可愛いなんて感想ばかりで終わらせてたまるものか。君に会いたくているのか、俺はわからないでいる。影を追うのはもうやめにしたほうがいいのかもしれぬ、俺の限界は俺であるのだし、あの人であることはけしてない。あの人に俺はなることはできない。あの人に俺はなることはできない。あの人に俺はなることはできないのだ! 絶望、つのる。喧騒の中にすべては過ぎ去り、静寂の中にすべては帰結する。そのはずなのに、俺は喧騒さえも見てはいないのだ。焦燥感、つのる。俺を愛してくれる人々は、きっと俺に何かを見ているのだと思う、それを、俺は大事にしないといけない。俺がそれを捨ててしまって、俺の矜恃などなんの意味があろうか! 君の好きなものがなんだって言えればよかった。それだのに、俺は管を巻いてばかりいた。

あの子あいつに騙されてるよ
かっこつけ競争 お得意な雰囲気
あの子あいつに騙されてるんだ

あんた俺のことどれだけ知ってる? 興味ないね
俺はあんたのことどれだけ知ってる? 知ったこっちゃないんだ
あんたはあの子のことどれだけ知ってる? 僕それだけが心配なんだ


雨が降れば良い。雨が降って、桜が散れば良い。夜が寂しければ良い。夜が寂しくて、朝に泣ければ良い。