連作 酔いと負け

できたはずの熱意も暇も余らせて斜に構えてはできないでいた コンテンツ消費するだけ消費して消費することすら面倒だ 96分の映画を今日見るか悩んで過ぎる22時半 この俺の時間を使う価値があるか考える時間こそ無駄である 名作をこれから見るぞと気合い入れ…

連作 生きることについて

起きがけに生きたいとさえ思えたら生きたいことを忘らるるのに 歯ブラシの開くを毎朝見ている毎晩換えられずに佇む 2lの冷水筒に麦茶沸かす1パックでは薄いかと思う 袖通すカッターシャツの皺と皺忘失のアイロンのしまい場 鍵閉めて一歩二歩進み引き返す鍵を…

どこにいるんだ

どこにいる。どこにいるんだ。 見えず歩く。脳が軋む。 揺らぐ、視界。繋ぐ、繋ぐ。 わかっている。わかっているんだ。 数年前のぼくのことなんて。すべて。わかってしまった。わかってしまった。 わかってしまったから動けなくなった。 あの時のぼくの衝動…

思いました、なんて可愛いことば

フェイスブック! わらう。笑わないさ。 君たち知ってる? そういうのがあるわけ。 とにかくそういうのがあるわけさ。あるわけさ、なんて可愛い言葉で、きっと僕の文章表現はやって来なかった、のか? そうでもないので続けるね。そこには色々書くことがある…

脳と堵と

才能と努力と、きっとぼくにはそのどちらもないと笑いながら、きっとおれにはどちらかは得られるのだと、そうやって確信していた。 いやあ、あの馬鹿どもにはわかるまい、ぼくの才能は! どだいあのクズどもには理解できまい、おれのこの努力は! それがどう…

永遠を生きられない以上

完結させたい。 考えなければならないことが、多すぎる。それは考えなくてはならないことか? ぼくが? おれが? 考えて考えて考えて考えて考えあぐねて、考えあぐねなければいけないの? いいよ君が考えなくても。 いいよぼくが考えなくても。 だから誰が救…

永遠を生きられない以上

「私は怖いんだ」 「怖い? 貴方が? 怖いのは私でなくて?」 「眠るのがとても恐ろしいんだ」 「眠ってしまえばそんなこと忘れるわ」 「外に出るたびあれが私を刺すのを感じるんだ」 「ねえ、聞いて。貴方を傷つけられるものなんて世の中には一つもないの」…

死なないで良くなったら、何が嫌いで、ようやく殺せるのだろう?

なかなかね、の日々を

声が聞こえたので。 幸せな、さりとて幸せな、皆が皆そうだとは思わないし、なんなら幸せそうにしている、君も君も、道端で浜昼顔に反吐を出すようなことがあるのかもしれないが、表面上は、表層の、星でいえば重力に捕まった可哀想な気体のような、発散せず…

以降移行とそういうやつ

えらいことに,はてなダイアリーという,僕の青春をなんとなく歪ながらに,思春期の爆発感情と,延々と厭世感を積み上げられていたサアビスが,終わるらしい! 困ってしまった! はてなブログというやつに移行できると書いてあったので,今移行の手続きを(…

嗅覚を欲す

ところで皆、元気してたかい? 夢は叶ったかい、まだ生きてるかい、愛はどうだい。僕はずうっと弱くなったけれど、元からそんなに強くはなかったから、まあ、だいたいおんなじ様な感じさ。君は、ずうっと強くなったけれど、きっと変わってないんだろう。それ…

散歩

朝 川沿いを歩く 雀が鳴いている 路上の餌を啄ばみながら 時折雀が鳴いている 夜 川沿いを歩く 溝鼠が飛び出す アパアトのゴミでもあさるのか 突然溝鼠が飛び出す これは散歩 注意は散漫にして 思考は揺ぎ無い これが散歩 道というのは何処かに繋がっていて …

自殺について

彼らは、彼女が自殺したのだと言う。それも、揃いも揃って、同じ顔で言うのだ。お悔やみ申し上げます、このたびは誠に残念なことで。僕は彼女が自殺したとは思えないね、と煙を吐いた。人生は、完結しないといけない。例えどんな終わり方にせよ、完結しなけ…

君は、プロフェッショナルではあるけど、まるっきり本物じゃない。汚れちまった挙句、必要なものを全部捨ててしまった。あの子はアマチュアだけど、ぜんたい本物だ。それでも汚れちまった挙句、欲しかったものは全部手に入らなかった。いくらアウトローを気…

噛み殺されることについて

最初の嫌悪、続く葛藤、終わらぬ絶望、その中で僕は安息を得たような気で居た。いつしか暗闇は去り、灯火の元で安らいでいるかのような、そんな気分さ。だけれども、そんなのは、まるっきり、嘘だった。自分の意思でここに来て、誇りを持ってここに立ってい…

TOKYO旅情

懐かしき歌、聴くたびに、思い出深くなり、忘却の彼方、泳ぐたびに、絶望に潜ることとなる。清浄な水のような声、恐らく美化した後の記憶。手繰ろうとしても、捨て去ろうとしても、絡まり続けた関係は解消されないのだ。三人目の男が現れた後、二人であった…

動物実験として

あの子はすべてを話すことで自分が救われると思っていた。懺悔でなく、告白でもない、純粋に自己の全てを話すことで、救われるのだと信じていた。後悔なんて、あるいは罪の意識など一つたりとも持ち合わせていないのに、ぼんやりとした不安に包まれていたの…

寂寞風景

一昨日は月の大きな夜だったらしい 僕はそれをとんと知らずに 暗い部屋で煙草を飲みつ 酒を傾けては独りごちていた とくとく とくとく 薄い硝子のコップさ それに酒をそそぐよに 喉に流しいくのです 拙い生を思い知り 喉に流しいくのです 何も考えたくないの…

ずっと石を積んでいる

どちらでもいいことはどちらでもいいの、そんな理由なのだと思う。そんなわけがネェだろう、努力者は言う、どちらでもいいことなんて世界には一つもなくて、どちらかに決めて、それを必死にやらねばならぬのだ。ケチな男は言う、どこから夢だか現だか、それ…

我に返るまで短くなった

心の優しさを歌った男は、巨乳の女とセックス三昧だった。世の中の汚さを皮肉った女の子は、三十路を超えてもそのまま子供だった。夢みたいだな、こんなに世界が素晴らしいなんて、こんなに皆が僕に優しいなんて、夢みたいだ、そんなことを言いながら、ACID…

サラバの地よ

ともかく格好のいい言葉だけで世界を覆ってしまいたかった子供は、数年してから気づいてしまった。賢い女の子は、ずっと前から気づいていた。たわごとパーティはすぐ終わってしまうもので、イカした言葉を振りまいていた男は、自分のことを金星人だと思い込…

スカンク

芯のところで理解できないのだ、いや、理解はできるが納得したくないのだ。くだらないと感じる。くだらないものにくだらないと言うこと、嫌なことに嫌だと言うこと、それを否定しなければ存在できない人間関係など、俺には必要ないのだと、思考、焦燥。俺に…

我々は酔っ払った

作っていたのは、いつだって足りないものだったし、欲しいものだった。僕は何にも要らなくなってしまった。心は焼け焦げて、後ろと前ばかりを意識するようになった。立っている場所がおろそかになり、さっきまで見ていた場所さえ思い出せなくなってしまった…

矛盾皇帝

僕はきっとこのままでいい、なんて思わなければ、僕は生きてはいけないのだ。彼女は、あたしはこのままじゃいけない、なんて思わなければ、あたしは生きていかれないんだ、なんて言った。生きて、イカレて、そこからはじまるのだから、消えてしまうことの無…

強い洋酒を飲んで、酔っ払いたい気分だ。

ずっとこのままでいた。周到に生きることでもともと短かった爪は失われ、もともと鋭くなかった牙は折れ、ヤニによごれた。馴染めないままに転がるべきであった。打ち上げられた魚のように、転がるべきであった。僕は馴染んだ。エラは退化し、空気を吸えるよ…

妄言流星群

馬鹿なことをやっている自覚はあるが、それを他の誰にも笑われたくない。筋を通さねばならぬ。傾き、数寄、無頼を気取っても、俺は自己に押しつぶされていくだけであった。敷かれたレールの終点さえも、まっすぐ行くことさえも俺にはできなかった。そんな男…

是非を問えば嘘が生まれる、そいつは多数決の矛盾と同じもので

平和な夜に鬱屈し、飛び出してみたものの、辺りには黒い犬、三毛の猫と、汚れたベンチ。俺は、あの日の缶コーヒーの味を思い出したいだけなのであった。僕は暗い思い出を待っているだけであった。痛みが欲しい、恐怖が欲しい、あるいは、絶望が欲しい。切望…

裸足で行かざるを得ない

面白いか面白くねーかって言ったらよ、面白くねーんだわ、と彼は言った。彼はきっと迷ってしまった。彼は僕には難しかった。彼の言うことの大半は僕には理解できないことだったし、理解できたとしても到底納得のできる代物ではなかった。彼は管を巻く、生き…

ずっと同じような

誰に許しを請うわけでないよ、俺は俺の求めるものを、ただ捨てているだけの毎日であった。あの子は、きっと、ずうっとこんな気持ちなのだろうと考える。この夜も、きっとあの子は悲しい歌を聴くのだろう。わがままのあいつは、きっと歌など聴かないだろう。…

とーくいこー

あいつのこと嫌いになったわけではないよ。あの人のことを好きになりすぎただけさ。俺はいつだって、どこか見知らぬ海にいて、体半分浸かっている。愛することのすべてを僕が知るならば、愛することの意味を僕は失うだろう。想いは届かないほど重くなるよ、…