2010-01-01から1年間の記事一覧

ずっと石を積んでいる

どちらでもいいことはどちらでもいいの、そんな理由なのだと思う。そんなわけがネェだろう、努力者は言う、どちらでもいいことなんて世界には一つもなくて、どちらかに決めて、それを必死にやらねばならぬのだ。ケチな男は言う、どこから夢だか現だか、それ…

我に返るまで短くなった

心の優しさを歌った男は、巨乳の女とセックス三昧だった。世の中の汚さを皮肉った女の子は、三十路を超えてもそのまま子供だった。夢みたいだな、こんなに世界が素晴らしいなんて、こんなに皆が僕に優しいなんて、夢みたいだ、そんなことを言いながら、ACID…

サラバの地よ

ともかく格好のいい言葉だけで世界を覆ってしまいたかった子供は、数年してから気づいてしまった。賢い女の子は、ずっと前から気づいていた。たわごとパーティはすぐ終わってしまうもので、イカした言葉を振りまいていた男は、自分のことを金星人だと思い込…

スカンク

芯のところで理解できないのだ、いや、理解はできるが納得したくないのだ。くだらないと感じる。くだらないものにくだらないと言うこと、嫌なことに嫌だと言うこと、それを否定しなければ存在できない人間関係など、俺には必要ないのだと、思考、焦燥。俺に…

我々は酔っ払った

作っていたのは、いつだって足りないものだったし、欲しいものだった。僕は何にも要らなくなってしまった。心は焼け焦げて、後ろと前ばかりを意識するようになった。立っている場所がおろそかになり、さっきまで見ていた場所さえ思い出せなくなってしまった…

矛盾皇帝

僕はきっとこのままでいい、なんて思わなければ、僕は生きてはいけないのだ。彼女は、あたしはこのままじゃいけない、なんて思わなければ、あたしは生きていかれないんだ、なんて言った。生きて、イカレて、そこからはじまるのだから、消えてしまうことの無…