散歩


川沿いを歩く
雀が鳴いている
路上の餌を啄ばみながら
時折雀が鳴いている



川沿いを歩く
溝鼠が飛び出す
アパアトのゴミでもあさるのか
突然溝鼠が飛び出す


これは散歩
注意は散漫にして
思考は揺ぎ無い
これが散歩


道というのは何処かに繋がっていて
それでいて僕は何処に行くでもない
酒を少し楽しんだ後に
人生を少し考えた後に


どうするのだと人は言う
何処に行くのだと人は聞く
けれど
僕はあっけらかんとして
何をするでもないよと答え
後悔なんぞ何処吹く風と
何処に行くでもないよと笑う


もしも君らが雀なら
群れて鳴くのもいいだろう
もしも僕が溝鼠なら
誰にも知られず暮らすがね


年は明けたがまだ目は覚めないでいる。