寂寞風景

一昨日は月の大きな夜だったらしい
僕はそれをとんと知らずに
暗い部屋で煙草を飲みつ
酒を傾けては独りごちていた


とくとく
とくとく
薄い硝子のコップさ
それに酒をそそぐよに
喉に流しいくのです
拙い生を思い知り
喉に流しいくのです


何も考えたくないのだけれど
やはりどうして自分の欠陥を
考えてしまわぬわけにはいかないのです
何も思い出したくないのだけれど
やはりどうして自分の失敗を
思い出さないわけにはいかないのです


くっつくか
それともわかれるか
人間はただそれだけだ
人間はただそれだけだ
ああ、僕の失敗!
『僕の失敗』とは、何だ?
僕はいつだって独り酔っ払っていた!