殺し愛

即席のラーメン、焼酎とcherry。それだけで夜を生きていくのにちっとも不備は無くて、加えて音楽と可愛い女の子さえ入れば、世界は順調に回っていく。

ヤマアラシのジレンマっていうけどさ、あれさ、俺、嘘だと思うね、あれ。最後は丁度いい距離に気づくんだって人は言うけれどさ、痛みあわない距離が一番良いんだって言うけどさ、ふざけろ、って話だよな。痛くないだけで、寒いなんて、誰が幸せになるんだよ。不幸にならないだけじゃないか。痛まないと駄目だ。痛くないと嘘だよ、全部、ぜーんぶ。愛することは命がけだってさ、よう、心中するような馬鹿が言ってただろ。刺さないと駄目だ。刺されないと駄目だ。そうじゃないのは嘘だよ。殺すつもりで、殺されないつもりで、私はこれで気持ちいいですよ、ってさ、なんだそんなの、嘘っぱちじゃねえか。死ぬつもりでやろうぜ、死ぬつもりでやろう。俺らは、死ぬつもりで愛し合おうぜ、それで駄目なら死ぬしかないし、本当に愛し合えたならそれは死ぬときだな。だから、俺らはきっと、もうすぐ死ぬんだろう。な、それでいいなら愛してるって言い合おうぜ。そんな覚悟もないのに愛してるなんて言っちゃ駄目だ。ずうっと一緒にいると思ったんなら、それくらいの覚悟が無いとな。生きたままで、死ぬのが嫌だって、愛し合ったままでずっとだって、思っちまうんだろうけど! そうさ、俺は弱い男、あんたは可愛い女の子! それでも泣きながらやってくんだ! 愛のために死ぬしかないって言いながら、愛のために死なないで、愛し合おうぜ、そして、ずうっとずうっと経って、愛し合ったなって思って、死んでいこう。それくらいの気概でやらないと駄目だ。な、そうだろ?」


好きな子に、好きだって言うことは、ずいぶん難しいことなのかもしれない。あの女の子が、無条件で俺の事好きならな。あの子の事は恋愛対象に見てはいけない気がしているの。あぁ、いくらでもだ! あの女の子が俺を好きだって言ってくれるのなら、俺はいくらでも救われるのに!


今週末は、上手くいけば、俺はあの古都の内。暇なんてどこにもなくて、作り出すのもひねり出すのも、やたらに難しい作業になるだろう。だから、忙しいままで、本当は駄目なんだけどなって、後ろめたいままで、それでいいと思っている。俺のいけない場所は、縁のない場所だ。俺は縁のある場所にいこう。
泣いちゃうかな。泣きそうな気分なんだ。
泣いちゃうかな。泣きそうな気分なんだ。泣けるといいな。泣くのを我慢するのも大事だけれど、ね、俺はオトコノコだから、それでも、泣くことが大事な日だってある。