そんなもんだから、日がな一日、焼酎でも舐めながらのんべんだらりと過ごしている。アニメって面白いなー、だとか、夕方の風は涼しいのなー、だとか、猫いじりながら考えて、ゆるりと時が過ぎていく。いいんだいいんだ、俺はこれでいい。このままゆるりと生きて、それで足の向く場所に行こう。手の届かぬ場所なれば、きっと俺には縁のなかった国の話だろう。少し走れば海が見えるよ、ってさ、君は言うのかもしれないけれど、俺はその笑顔で十分だよ。行きたいな、って本当に思ったら、それからの話だよ。周りを見ずに突き進めば道は開かれ、進んだ先では俺の知らぬ生き方もあるともいう。俺はいいんだ。微笑んで見逃そう。すべての痛みや絶望を。そんなもんはいくらでも襲ってくるんだ。逃げ場は無いぞ。俺の手はもう汚れちまった、メイド服と共にさ。糞ッタレ、冗談じゃねぇぞ。全部俺が悪いんだからな。


激情を押さえるために、かね。


縛られている人間は不幸せだけど、縛られていないでいること自体に縛られている人間はもっと不幸だね。俺は静かに暮らしたい、たいしたことなんてなくていいんだ。思うのはここら最近の悪い癖。前を向いているのが嫌で斜め後ろばかり覗いていたから、気づけば自分の立ち居地さえ見失っちまう。努力は大事だよ。身の程に合った頑張りくらいはやっておくべきだね。最高速を一度も出さないままに壊れちまうなんて悲しいよ。一度か二度か、あるいは三度か、そのくらいはやりきっておくべきだね。それこそ、全部微笑んで見逃せちまうくらいには。


クレヨンしんちゃんの激情版を見て泣く。夕陽のカスカベボーイズ。つばきちゃんが良い子すぎて。畜生。何で幸せにならねぇかな。
あぁ糞、俺のことか。俺が全部悪いんだからな。明日死んだって文句は言えないよ。