浮かび続けて夢の中

幸せになることを思っている。あの子がさ、いつか電車であった日から、想っていたと言うの。嬉しいじゃないかね、今でも嘘だと思っているんだよ。俺も見ていたからね、それこそ物語みたいじゃないか。どうせ目が覚めて、眠気の淀みに迷う、そんな日々なんだ。だからね、無理はしないようにと思うよ。そうさ、俺はよこしまな男だよ。今鳴いた烏がもう笑う、自分が本当にあざとくてうんざりする。こんなにも女の子は可愛いのにさ、それだからかな、いやらしいことばかり考えている。オトコノコだから仕方ネェよってさ、あいつなら言ってくれんのかな。幸せになればいいんだよな。
楽にやらねば駄目だ。無理して手に入れたものはさ、重くて綺麗な石はさ、持ってるだけで辛いんだよ。美しさを見ていれば耐えられると人は言う、でも俺は駄目だ。ちぃっとでも重いとほっぽり出しちまう。軽くて美しいのがいいよ。いいや、多くは望まぬよ、光らずとも持ち続けられればいい。いつかはきっと誇りになろう。されどあの子は美しいのだから、ともかく。


絶望と欲望と。死にいたる病気のようなものだと思う。俺は馬鹿だからさ、嫌われたって仕方がないんだ。思い込んで突っ走って、ぶっ壊れては空回り。それでもそれでも、ここらの日々だけは信じさせてくれはしないかね。これが偽りなら本当に俺は壊れてしまう。