夜の救援者

眼鏡のあの子のね、右薬指には指輪がきらりだったのさ。考えすぎかね、本当にくだらない男だね俺は。話したいな、あの声の美しい子か、あの見ず知らずの貴女か、それともあの黒い服の女の子か。意味のあるようでなく、ないかと思えばあるような話がしたい。夜が何もなさ過ぎて困っているのだよ。何も生み出せない。何も吸収できない。僕は恐ろしいよ。甘えでも何でもいいさ、人がそう呼ぶなら受け入れてやるつもりだ、僕は甘えたくて仕方が無いよ。貴女に僕が生き物程度に認識されているならそれでよい、犬でも猫でも、獣畜生の扱いで俺は満足だ、できれば人が良くてね、人の言葉を使えたらなと思っている。悲しいな、夜はどうにも悲しいな。
落下の夜がどこからか忍び込んで来る予感なんだ。打ち負かしてやるだけの睡眠と、栄養を願う。睡魔も食欲も消えちまうんだ、性欲だって同じことさ。


嫌われることを厭わなくなってきている、どうでもいいことを、きちんとどうでも良く扱うようになってきている。悲しいね、そんな俺は酷く悲しい。そんなならば、道化にもなりきれぬと嘆いている方がよっぽど美しいじゃないか。かっこいい狂いのドブ野郎も知識人気取りのペダンチック野郎も大嫌いさ。だけれど、そればかり叫んでいる気がする。俺は愛したいのだ。愛しい人だけ、俺の目に付く美しい人だけ、気持ちいい人だけ、俺は愛そうとしているのか。なぁ、それでいいのかね? 今の俺は、問いにおずおずと頷くばかりだ。何が悪いのか答えられないのだから。


電脳コイルが面白い! SF! 眼鏡! NHKだからなのかはわからないけれど、なんだかいちいちフェティッシュで良いね。個人的にはもう少し画面がぐりぐり動いてくれると楽しいのだけれど。それでもバトルがとてもアクション的で素晴らしい。
いさこさまがほんとうにせいてき!