無題

馴れ合いが気持ち悪すぎて吐く。この茶色いのはピーナッツチョコか。食うんじゃなかったな。胃液が甘いよ。気持ち悪いな。屑どもが。有象無象が。思う。憤る。うまくやっていきたくなんてなくなる。冷めていくと同時に、苛立たしくて仕方がない。俺は何に腹を立てているというのだ。
そうやって安心しているだけだろう? それが嫌なんだよ。
嫌いなんだ。やはり俺は嫌いなのだった。糞ッタレ。どうでもいいのだ。くだらない。本当にくだらない。ふざけないで欲しい。かっこつけにはうんざりだ。だまされるのにはうんざりだ。体裁を取り繕ってさ、だからどうだって言うんだ。

「俺、実はあいつのこと嫌いなんだよねー」

何度聞いたか。何人から聞いたか。何で言いながら笑っていやがるんだ。どうして笑えるんだ。だったら、どうせ俺のことも馬鹿にしているんだろう? 俺のことも屑だと思っているんだろう? 俺をぶち殺したいと思っているんだろう? 俺の体中の骨をばらばらにしたいと思っているんだろう? 俺は信じないぞ。信じることなぞできるものか。


俺に対して大して興味なんてないのに、タテマエだけで笑っているんだろう。


気持ち悪い。気持ち悪いよ。気持ち悪い気持ち悪い。あんたが人間だとすれば、俺はメカ人間なのか? そうでもないと、そのくらいでないと、この感情に理由をつけることができない。「あなたのことが好きだよ、だから当然僕のことも愛してくれるよね」当然当然当然当然当然当然当然当然当然当然当然当然。当然。当、然? とうぜん? へぇ、当然なんだ。馬鹿か。馬鹿だよこいつ。気持ち悪いな。頭イカレちまってんのか。押し付けるなよ、気持ち悪いんだよ、そういうの。そんなあんたが正常か。社会とか世間とか言うのは、イコールであなた方のことか。だとすれば社会的に正常という言葉は、あなた方の主観で決まってしまうじゃないか。いや、いいや。いいんだ。決めてしまってもいいんだ。俺はどうだっていいんだ。何がどう決まろうとどうだっていい。興味なんてない。冷めてしまっている。


もちろん俺は正常なのだ。


ならばおかしいのは誰だ。おかしいのはあんただ。おかしいのは俺か? 俺は異常ぶる輩と同じか? 「僕はおかしいんです、だから君たちとは違う、ね、かっこいいでしょ?」ふざけるな。寝言なら寝て言え。たわ言ならば口から出すな。不必要だ。誰がそんな奴らと一緒だ。俺は違う。断じて違う。
何もかもが面倒だ。本当のことなんて一握りだ。俺はだまされているのかもしれない。その笑いは本物か? 嘘か? 本物だったら、嘘だったら、どっちでもいいだろうよ。たとい本物であっても俺は信じることができぬのだ。疑ってばかりいるのだ。だから気持ち悪い。
一生箱の中で暮らせたらと願う。本物じゃない係わり合いなんて持ちたくないよ。だのに、俺には本物かどうかわからないんだ。気持ち悪い。大事なものをいくらかぶっ壊して、ようやくここまでやってきた。まだまだまだまだ壊さねばならないのか。疲れたよ。いつからか、俺も愛想笑いを覚えた。気持ち悪い。やっぱり嫌なんだ。気持ち悪すぎる。嘘とは係わり合いになんかなりたくないの。
あの子が、どこそこのラーメンが美味しかったよ、って。それだけあればいいのにな。



水槽のね、ウーパールーパーがさ、いるんだよ。まだ五センチくらいでね。大きくならないかと、そればかり思っている。