ALREADY

実篤のような触りのものをね、少しでも書いてみたいと思うのだ。実篤が書きたいのではない、そんなものを俺が書く必要はちいともない。偽者か、あるいは劣化コピーか、不必要だろうそんなものは。実篤が読みたい人がいるならば、実篤を読むだろう。俺が介在する余地はない。だからね、ああいう触りで、けれども俺の情欲をぶち込んだものを。


あるいは、泣いていたのかもしれぬと考える。あの時確かに。俺は、泣くなよ、言った。だが本当に泣いているとは思わなかったのだ。常套句でさえない。あんな時にどうして良いかまるでわからなかっただけだ。今だって知りはしない。かっこいいごっこはうんざりだ! 糞野郎! 俺は何度でも糞野郎と罵ってやる腹積もりだ。ルールは誰が決めた? お前か? おまえか? 恐らく俺なのであろう。俺でない俺が決めた。思った風に生きると言う度量は俺にはない。だが、腐れ野郎のフィールドで生きるつもりはさらさらない。あの野郎、そんな事言ってもさ、目の前で泣いてる人間にそんなことが言えるかよ。
けれど、人のために何かを始めたら終わりなのかもしれない。目が怖くなる。人間はもう終わりだ。人間はもう駄目だ! 糞が。糞が。糞野郎が。糞ビッチが。
人間はもう終わりだ! あの男がかっこいいという音楽は駄目だ。あの女がかっこいいという音楽も駄目だ。全部フェイクだ。俺の音楽も全部フェイクだ。嘘だ。嘘っぱちめ。飯を食うのはやめた。飯は嘘だよ。美味くなんてない。


精をやらねば、男は不安定になるものだと聞く。髪が早く伸びてしまえばいいのにね。ひざの下、ふくらはぎまで髪が伸びればいいのにね。
嘘だね、もう。死ぬ子はありがとう。死なない子は死んでしまえ。死にたくない奴はみんな明るくはつらつと生きてろよ。死ぬ子は死ね。早く死ね。生きてる価値なんか私にはないんだ、って何度も言ってただろうよ。じゃぁ死ね。今死ね。すぐ死ね。本当に死んじゃうよ、いいの? いいよ。悲しくない? ちっとも。じゃあ死なない、つまらないから。死ねよ糞ビッチが。精神病が。頭の病院行けよ、大き目の! ゴミが。屑が。畜生。畜生。
髪が早く伸びればいいのに。