砂城

もう良い。あぁ、もう俺は良い。もう俺はこんな世界にはほとほと愛想が尽きた。くだらん、実にくだらない! 恋だの愛だの、何だよ、何だってんだそんなもん、ボケが! ダボが! ファッキンビッチ! そんなもんこの世にはねーよ、ナッシングだ。嘘だよ嘘! ぜーんぶ嘘なの! 糞が、ど畜生が。


気持ち悪い。


酷い。本当に酷い。生きるとか死ぬとかさ、どうだっていい。くだらない。つまらない。色彩は完全に失われた。味覚はほとんどない。何食べても同じだよ、だったらいらない。俺は何も要らない。買い置きしていた堅あげポテトの黒胡椒の奴、あれ開けて、一口食って捨てた。美味かったけど不味い。終わった。俺はちっとも終わってなんかいはしないのに、俺は少しだって妥協などするつもりではなかったのに、俺はいつもより上手くやったつもりであるのに、駄目だ。まるで駄目だ。
死のうと思ったけれども、あんまりにもつまらないのでやめた。
生きようとも思ったのだけれど、あんまりにもつらいのでやめた。


腐っている。あんまりにも柔らかだ。


つまり、屑です。KUZU-DEATH。俺はただの勘違い野郎だ。妄想にもほどがある。気持ち悪い。体中の細胞が何かを攻撃したがっている。脳が必死にそれを制止している。正視しているだけなのかもわからんね、結局殴った。痛いのは俺だけ。壁はすごくかたい。
これからずっと、俺の日々はしがない日々だよ。あぁ、もうこれからずうっとだ。ロックンロールがあればいいと思ってたんだ俺は。ロックンロールで何か変えたいってな、何か変わるって信じてたよ。駄目だ。きっと何にも変わらない。俺は何も変えられない。家で縮こまってる以外にないんだ。
俺は愛してほしい。俺は誰かの腕に抱かれて、それで甘やかされればそれで良かったんだ。大丈夫だよってさ、その言葉を聞くためにさ、目の前のことを何とかしようと考えていたのだ。でも駄目だ。そんな俺は、俺は気持ち悪い。馬鹿が。誰が俺を愛すかよ。
本当のことを言えるのはさ、本当の夜を過ごしたあなた方だろう。俺は、俺そのものが嘘だ。何も言えやしないよ。口は動かないんだ。想いがあるのに動かないだとかさ、そんな美しいものじゃない。もやもやしてるだけなんだ。頭が悪いから、考えることもできずに、ただうやむやになっちまうのを傍観しているだけなんだ。傷つくのが嫌だから少し離れているんだ。恥ずかしいのが嫌だから騒ぐのをやめてしまうんだ。消えちまえばいいのだ、そんな奴は。
あの人と、俺は僕の好きな人と愛し合いたかった。だけれども駄目なのだ。あぁ、もう終われ。終われよ! 一昨日の嵐のように、全部流れていってしまえ。雷鳴響く中でさ、俺は外に出たんだ。あの時に直撃して丸焦げになっちまえば良かったんだ。
誰かが俺を好きだと言ってくれるかね。俺はそのためには何だってできるんだ。俺はそのためには何だってするんだ。俺はそのためには死んだって構わないよ。


何で顔がかっこいいだけで音楽が売れるんだよ。馬鹿か。


あの人は別に俺が嫌いなんじゃない。あの人は別に俺を殺したいわけじゃない。あの人は別に俺をぶん殴りたいわけじゃないでしょうよ。でもよ、でも駄目だあな。俺はあの人に関しちゃ、もう駄目だ。終わらないかな。何かの拍子にさ、上級生に砂山崩されちまうみたいにさ、何もかもが壊れちまわねぇかな。それでいいんだ。どうだっていいんだ。俺は見るよ、俺の知っている人が苦しんでいたりさ、喜んでいたりさ、泣いていたりさ、笑っていたりさ、だけどどうだっていいんだ。
あの人はあんなに美しいのに、僕にはどうしようもないの。


何も始まらない。このまま何かがスタートするならば、きっとすぐに瓦解する。なぜならそれは嘘だからだ。畜生、ちんぽ握る気も起きやしねえ。ぶっ壊しちまう以外ないのかな。今の俺の、腐りきったこの有様よ。ぶっ壊してそれから再構築。それこそ砂山作るようにさ。