MIKAI

助けを、救いを! 結局最後にゃ宗教か? 僕の宗教へようこそ! 笑っちまうぜ。


歌が歌いてぇなぁ。とびっきり熱い奴だ、また君の前でさ。喉が疼く。脳が乾く。性的欲求に近い。ねぇ、音楽をやりたくないかい? ヘッドホン頭につけて満足かい? 口パクで手を振って満足かい? 体揺らして満足かい? そんなもんじゃ満ちたりねぇ。俺は快感を知った。金だの人間関係だのだるいばっかりだよ。何もないところで、君と俺以外何もないところで、音楽がやりてぇよ。やりてぇよ。やりてぇよ。椅子なんていらねぇだろ? 面白いからやりてぇんだよ。気持ちいいからやりてぇんだよ。ただそれだけだ。これは動物の理性だ、人間の本能でなく。脳にブロックノイズでも生じてんのか? まるっきり何もかも見えにくく、聞こえにくく、イメージしにくい。記憶は脳の片隅へ、できる限り美しく圧縮しようとしたはずだが。
辛いことを知っていれば強く成れるとか言うね、そいつは的確だ。まったくもって正しい。俺は辛くないから、幸せだから、弱い。これでいいかい? 不満げだね。知ってるさ、君の言いたいことくらい、全部わかってる。わかった上でこうして黙ってんだ。怒るかい? ならそれでいい。正直言おう、君と道別れたとき、俺は、ほっとした。もう駄目だ、終わっちまうようだよ。くだらぬ、つまらぬ、意味のない、ことに関して、俺は、見ない振りが得意、なのに、もう駄目だ、駄目だ。
明日こそは、なんとかしねぇと、なんとかならねぇと、他人の助けを求めるな、俺は俺の足があるじゃねぇか。


欲しいものがあるのだけれど、サンタさん来るかな?