利子

誰かのために自分が何をできるか、なんて君は言うけど、そいつぁさ、君の目の前にある堅苦しいもの、俺から見れば酷く難儀なもの、全部見届けた後で、全部背負っちまった後で、そんな言葉吐いているわけかい? 僕は感嘆しちまうよ、そんなもん。


さて、まるっきり逆の話。汚い話でもしようか、少年。
言っておく。俺は、クールなガキが大嫌いだ。ガキなのは良い、俺なんてまるっきりガキのまんま、ちっとも成長しちゃいねぇ。けれど、自負しているのはいつでもホットであるということ、熱くなれるということ。糞、お前、俺と一緒じゃねぇか、何気取ってやがるんだ! いやいや、俺とは違うのか? わからん。俺は俺、お前はお前、良い共存の方法などあるのだろうが、どうにも俺は耐えられぬ。格好付けがどうにも嫌いだ。節度の無いも同様に。
純粋に、格好良いを望むのは理解できる、けれど、お前はそれとは程遠いじゃねぇかよ。住む場所を考えろ! そこは、お前が大声で気持ち悪い話、する場所じゃないだろ! 迷惑なんだよ、お前と一緒くたにされるのがな! 思えば思うほど、言葉は自己に返ってくる。同じことを言われても、俺は反論する術を持たぬのだ。ただ一線を画すのは温度差だが、それもとるにたらぬことなのかも知れぬ。少し距離をとって、俯いている。幼いがゆえかね、この情動は。


僕の世界というのは、一体どこからどこまでなのか。セカイ系じゃないけどね、そんなことを思うよ。白で囲んじまったあたりを陣地にしたいのか、ずうっとチョークを探しているよ。夜の風は酷く冷たくてぞっとする。夕方を感じることはなくなって、最近はね、朝からすぐ夜になるようだ。


家にいくらかあったはずの武者小路実篤がどこへ行ってしまったのか、どうにも見つからぬ。残念。手段はいらぬ、ヴィジョンが見えればよい、ので、眠りながらにも読みたいのだが。