KEIREN-SEPPAKU

だいたい全てにおいて億劫なのが本性なのだろうね。それを覆い隠すかのように、なんとか叫んでいる毎日だ。忙しくなければ失速しちまうが、キャパを超えればオーバーヒートだ。動こうとせぬ俺自身を、俺は笑っているわけにはいかないのだろうがね、苦笑続きだ。なんともなしに飯を食らい、惰眠をむさぼることを至福とする。これは怠惰かね? けれどもね、何故だかウェイトの落ちるばかりだぜ。


声の聞こえる日がある。ささやくようで、意味のないたわ言で。理解不能だ。頭ん中、ぐるぐるになっちまって、自分の声も何も区別つかずに、うずくまっている。
視線を感じる日々は、大方一日、二日おきにやってくる。何かの、暗闇を好み、それに潜む性質を持ったものの、本当に度々やってきているのではないかと疑うことも忘れない。カーテンを閉めてみても、カーテンと窓の間にひそんでいる気のするし、別段そいつが部屋の内にいなくても怖いのだ、探してみても意味のないさね。
何も声明じゃない。助けを求めているわけではない。こんな恵まれた状況でさ、つらいだの苦しいだの、ふざけているとしか思えぬだろ? 君らがそう思うくらいだから、俺もちっとはわかっているさ。だからこれは、状況把握というものだ。俺が俺をどう捉えているか、一度、一つ一つが二バイトの情報に直して、そっからまた頭に入力しなおす。輪郭を明確にするための必然か。
ぎっしりと詰まったダンボールが一つ、二つ。紙というのは、集まればこれほどまでに重いのかと驚愕する。数度殴ってみたが、じりじりと動くだけ。運びだせぬから部屋にずうっと放置してあるよ。


物語の構想を、練らねばならぬ。俺の描く物語だ。ラノベを書こうとするのではなく、書いているうち結果としてラノベとなった、くらいのほうが丁度いいのかも知れぬ。書いているうち、飽きてしまうのを何とかせねばならぬけれども。誰かに読んでもらえばいいのかもしれないがね、重荷になってしまえば意味のない気がしている。
少年と、少女と、あとは音楽さえ出ればいいさね。俺が俺に課す縛りはそんなものだ。あぁ、忘れてはいけないのが、セカイ系になりすぎぬこと。利己的なだけの時間は駄目だ。俺を生かしてくれている愛すべき人々よ。忘れてはならないさね。僕とあの子と音楽と、それだけで良いと思った日もあったがさ、美しき時間よ、あの時は現実だと思い込んじまったもんだが、リアルタイムの想い出のようなものだったろうね。
電車で見かける子が、眼鏡で長身で、素晴らしい! 俺は見かけるたびに目を伏せちまう。それでいい、今のところは、そんなもんで問題ないだろ。