千里GUN

あーもうくそくだらねーなぁ。言いたいこと全部言われちまったよ。俺のすることなんて全て見通されちまってる。大人はさー、やっぱり偉いよ、なんて俺は笑っちまう。俺はまだずうっとずうっと子供だ。糞、めちゃくちゃ恥ずかしい! 俺の情動なんてとるにたらぬ! 俺が生き急いだとて、何も変わらない。軽蔑も嫌悪も、暗い感情全てはわがままから生まれるに過ぎぬ。んなことはわかってると思ってたけどさ、まるっきり当たり前なのな。結局さ、常識だとか一般論だとか言われてることが、一番大事だったりする。個性だとか自分だけのだとか色々語っちまってもさ、選択肢は与えられたものばかり。何にも見えてないのな。
つかみきれずにほろほろと、こぼれていくものこそ大事なのかもわからんが、それよりも振り返り振り返り、積み重ねてきたものを捨てることの意味を思う。話して、話して、話して、話して、それで馬鹿にされて、俺はただ愛想笑いで。もうやめにしようかと本気で思っちまった。それでもあいつはそういう奴でさ、何だ、殴りたいと思ったのは久々だぁな。でもあいつも、率直な気持ちだったんだろう。なにぶん不器用な奴だ。不器用さをまるで意識していないのが、腹立たしいやら羨ましいやらで。一緒に過ごした夜、覚えてるか? 愛してるぜ。


やはり、物語を書かねばならぬのかもわからん。一本丸々、何とかして仕上げちまわなければ。俺の中で、どことなく心残りなのは、それかもしれない。自分で言っちまうのもなんだけどさ、この若き日々を、無為に過ごすのはどうにももったいなさ過ぎるだろ。ブンガクだとか文章力だとか、難しいことはまるでわからん。俺は、俺の正しいと思った方法で、(もちろん一定の規範は守った中で)ぶちまけてやるだけだ。
一年か二年ほど前、俺は本気だった。本気でどうにでもできると信じていた。その時間があったことを思い出さねばならぬ。勢い、気概はね、今手元にあるもので精一杯だ。燃やせるものは、何もかんも燃やしちまったから、何とか別の燃料で頑張らなければならないかもしれないが、それでも、別の島に行こうと思った記憶があれば、いつしかはたどり着けるのかもしれない。
かもしれない、ばかりだね。自信がないのだ。


集中と、反省と、考えすぎぬこと。世界はあからさまに簡単だ。できないことがたくさんあって、それだけだ。オーケー、今日はまだ落下せずにいられている。キチガイ薬のご厄介はもうごめんだね。