SARAKE

調子に乗るなとか調子に乗るなとか調子に乗るなとか、そんなことばかり考えている。どうやら面白おかしいことや、まじめなことなんて何も書けずに、いつか書いたようなことしか、書いていくことができない。俺の視界の中には、二トントラックがぶつかるよりも巨大な衝撃がたくさん転がっていると言うのに、俺はそれを生み出せない。生み出せないばかりか、転がっているそれらを拾っては、自分の物だと言い張り続けてるような、そんな気分だ。何かを作っているとき、常に考えるのは、真似だとか、劣化コピーだとか、そういうこと。


あぁ、上っ面の話じゃないこと、大事なのに。ぼかしぼかししながら、僕の話を書く。
とんでもなく痛い女の子がいて、周りの人がその子を見る目がすっごく遠いのだけれど、それでも僕はその子が好きで、けれど、その子は誰も好きになりませんよー、って顔してて、そんなのが少し悲しいな、と思うわけだ、です。あの子はすぐに否定するだろうけど、多分本で読んだとかさ、漫画で見たとかさ、そんな軽い理由から、全部を全部。はじめちゃったのかな、と思います。なんだかもったいねぇなぁ、ずうっと考えてます。
メールを出すの、緊張します。返ってこなかったときの事考えねぇ? あの子が普段電源を切っている携帯電話をつけて、ちょっと見て、またそれを投げるのかなぁと思うと、なんだか切なくなります。俺が、携帯電話を放り投げるときも、そういうことを、思い出します。
あぁ、そうだ。優越感とか、覚えたことありますか? やっぱり頭の悪い女の子が良い、とか思ったことありませんか。結局そういう思い上がり、抱えていませんか。彼女に関しちゃ、僕はぜんたい、そんなものだった。その程度の男だった。あまりにも脆弱な優越だった。僕というねじくれたものさしで計ろうとして、計れないから短いものだと勝手に信じていた。
まったくね、まったくだ。全部嘘だった。彼女は実際、ぶっとんでクレバーだったし、俺の言うことなど、全部理解して、その上で、三千年くらい先の発言を、していた。よくわからん。
あぁ、俺の言葉じゃないみたいだ。あの子の話は、あまり誰にもしないけれど、話し出すと止まらないし、収束もしない。まとまってねえんだな。太平洋沖に二千キロ、そこで浮かんでいるような。


寝るか、寝ないか。何もしないか、無駄なことをするか。同じことか。