臨海

あぁ、本当に何もない!
約六十時間ぶりに見た空はどこか嘘くさすぎて、辟易した。ここはどこだろう、と思って、どうせさ、いつもの場所だ。何も変わりはなく、何も変わりはない。いや、変わっているの、か。変わっていないのは俺だけで、どこか斜に構えて、停滞して、置いていかれる。ついていくのがやっとだったくせに、駄々をこねて、結局誰もいなくなってしまう。何度繰り返した? 何度反省した? 三つ子の魂百までなら、百歳からしか俺は変われぬのか。救われぬ、叫ぶことは、救ってくれ、と強いることでさえある。そんな横暴は許されない。自分から突き放しておいて、のこのこと上から命令だと? それは許されない。誰が許さないのか。もちろん俺自身。


負けた気がするのはさ、負けたからじゃなくて、負けた気になろうと無意識にしてるからじゃないのか?


逃げろ、逃げろ、と叫んできた。気づいたよ、逃げなければならぬのは俺だけじゃあないか。もしかすると、俺も逃げる必要のないのかもわからぬ。けれど、俺は、ひとまず逃げるさ。体力の続く限りさ。放棄ではない。一旦の、逃避だ。頃合を見計らって、何食わぬ顔で戻ってくる気でいるが、その時には俺の場所はないかもわからんね。


ねこそぎ、今書いた物が消えた。今日はこれまで。