爆破

今日と言う日の、記憶。
持つこと、手に触れていると言うこと、それ自体が、嫌で仕方がない。ただ、嫌悪する。胸の中心から、どす黒いものが、ゾクゾクと湧き上がってくる。叩き潰したい、と思う。音の、出なくなるまで、あるいは、原形をとどめなくなるまで、潰してしまいたい、と思う。壁に叩きつけてしまえば、それまでだ。投げればいい。投げればいい………っ? 怯えると共に、できるだけ、体から、離した。ぶっ壊しちまいそうだった。ぶっ壊しちまいそうだった!


やめちまうことだな、やめちまうこと。目先のことは楽にはなるに違いない。な、今の、なーんにもしてない状態のさらに下、なーんにもできない状態への移行だ。なーんにもできないまま、あの人らが笑っているのを、遠くから見ているだけ。そんな状態を俺は望むのか? あぁ、望むね。面倒なんだよ、面倒だ………なんてことを、ずうっと考えている。あの子が観たらどう思うかね、どうせあいまいに笑って、もうちょっと頑張ってみたら、とか何だか、呟くだけだろう。まさしく、今の俺が欲しいものは、それだ。あの子を神聖化でもしているような、感情。こうなっちまった今も、持ち続けている。


意志が、醜く歪曲する。よくわからない。