芝居

存分に飯をかっくらってきた。最近は特に、腹が減るというのがわからぬし、飯を食う行為に何の興味も沸かぬが、とりあえず、今日は詰め込めるだけ詰め込んできた。糸になっちまう前に、人にもどらないとな。体重は、落ちすぎている。


文体というもの、もしくは、文の構造や、視覚的な影響ということ、ずうっと考える。これはいいのだろうか、文法作法的には絶対にしてはならぬのだろうが、ここをこうしないと俺の思う感じではなくなる、それはまずい、しかし多用すると安っぽくなる、けれど、多用せねばならぬ場所だ、考える。考えあぐねていたら、やはり文は進まず、二日かけてやっと三千字、他の誰もと比べたことは無いが、俺としちゃ、ひどくローペースだ。しかし、確かに物ができている感じはしている。構想を、もう一度練って、背景を、考えねばならぬ。行き当たりばったりに進めては、途中で飽きるのは目に見えている。かと言って、意気込んで意気込んで、力みすぎれば失速するのも目に見えているからさ、ほどほどに、か。一応は、やりたいだけ、やりたいように書いてみて、それから直そう。いつも俺がそうしているように。
仮死奇異性、起死回生、と書いてみて、笑う。言葉遊びはあまり使わぬこととしよう。くだらぬ文にはしたくない。使わねばならぬ場所で使う、と、そういうことだ。


二日連続で、俺から離れたあの子の夢を見る! やけに幸せな気分で目が覚めて、三秒間ほど、どちらが本当かわからなくなっている。あぁ、あぁ、と呻いてみてから、ひどくがっかりする。あの子に見限られた俺に、また、まだそんな夢を見る俺に。あの子は、まだ電話すれば手が届く距離にいるのではないか、と疑う。全部、幻だ。溜まってるのかね、性欲の沸かぬと思っていたら、こんなところに波及か。笑わせる。