満開の桜は視界をふさぐだけだと

頭ごなしに怒鳴りつける。想いなどそれでは伝わらないのがわかっているのに、ただ焦りだけがつのり、上ずった声でふつふつと怒りを呼び覚ますだけである。
どうやら、何もやることがないので、寝てばかりいた。時間がれば寝、時間がなければ寝た。余裕があれば寝、余裕がなければ寝た。端的に言えば、暇であった。絶望の小さな小さなかけらしかそこにはなく、持っていた歓喜は昇華してしまっていた。また雑務に追われる日々がはじまる。強制されることは嫌いでなくなっている。誰か、何か、俺より大きなものが俺を動かそうとしてくれているのなら、それに甘えていこう。ただただ楽な方向へ、思考せずにすむ方向へと。昔はそれが音楽であったのだが、もはやそんな力なぞ持たなず、巨大でさえない。できればまたその巨体が現れてくれるのを願うばかりである。
あと数えるほどの日々は、頑張ろうと思う。その後はどうなるか俺にもわからん。引き止めてくれる人がいれば留まるかも分からないし、一緒に、と言う声があがればそれと共に去るやも知れぬ。義務などないのに、重みを感じ、軽いはずなのに、債務だと思う、そんな日々が増幅するか減少するか、とんと見当もつかないがね。今ここを見ているであろう人に向けて、これを書いている。な、わかりやすいメッセージだろ? きっと俺は引き止めてほしいらしいぜ? で、それを醒めた目で断ってやるつもりなんだ、わかりきってる。かっこ悪いだけの作業をまた繰り返すつもりだぜ? はい自虐。えっと、貴方がたに向けて書いていますよ、こんなにも俺は矮小なのだと胸をはっていますよ、気持ち悪いだけだと卑下することも忘れずにさ。自分をくだらないという人間は嫌いだったのに。
欲望とはなんだっただろうか? そこにあるのに思い出せず、これは欲望なのかと首をかしげている。