OVER TRUE

この世界は全てまやかしで偽りで嘘で素晴らしいものなど何もなくただ単調にくだらないことが流れていき怒りさえわかず切なささえも砕け散り綺麗なものは背後に恐怖を常に隠し持っている。
朝。目覚めた瞬間からの必然的とも思える落下。いつから落ちていたのかわからないが、底の方にいた。何をする気も起きず、何をするでもなく、太陽が中心を過ぎ行くまで、目も閉じず、眠ることもなく、ベッドの中でただ時間を費やした。空想してはため息をつき、妄想しては吐気を覚え、夢想しては頭痛の種となる。切れ切れになっていく思考と、連続する恐怖。全てが疎ましく、やはり怖く、言葉さえも拒否する。他人からのアクセスを拒否し、自分からのアクセスを拒否し、視界に入ってくるものをにらみ続け、誰かに見られていると感じてはキョロキョロとする。
それではいかんと思い、今ここでこれを書くにいたる。しかし、変化はない。見られているという感覚は消えず、絶えず後ろを振り返る。
口から出るものは嘘だらけ。理想のあの子は存在せず、理想の俺も存在しない。ただの売女と腐ったようなガキが一匹ずついるだけで、俺が思い描いた情景など存在しうるはずもない。
音楽はつまらない。死ねばいいのに。なくなってしまえばいいのに。絵も、文章も、くだらぬ。存在意義がわからぬ。俺も何もかも、いらない。必要ない。それが当然であるとさえ思う。いやね、俺の必要ないのは当然なのだろうがね。

 あのあと。まだあの人と続いていたらさ、もしかしたら、例えばうちの近くの小さな公園でさ、寒い夜にさ、あの人と公園の端っこの方のベンチに二人座ってさ、あの人は………おれが編んだマフラーして、「寒いね」なんて言い合ったりしてさ? 手袋ごしの体温をぼうっと味わったりなんかしてさ、缶コーヒー奢ってもらったりしながらさ、星があんまり見えもしない空見上げて、いくらでも語り合うことのできたのだろうかな? それとも、そんな時間はどうあがいてもえられなかったのかな?

終わってしまいそうになる。崩壊のときは近い。それとも、もう、すでに、終わってしまったのだろうか? どうしようもなく時間が過ぎ行く。死ねばいいのに。おう、じゃあ死ぬ。死ぬなんていっているうちはだいじょうぶだろ? だから言って言って言って言って言って言って言って言って言って言って言って言って言って言って言って言って言って! 壊れてしまえよ。
俺は格好悪い。俺は気持ち悪い。俺は痛い。痛々しい以前に、馬鹿げていすぎて。