NO MUSIC NO MUSIC

音楽活動がしたくてたまらない。暇が訪れるまで、は始めるのを待つつもりではあるが、それまでに構想、準備、固めておくのも悪くはない。とりあえずは、賛同者を見つけ出す単純作業だ。俺はこういうことをしたいよ、と言い、そうかそうかとうなずいてくれるまで目を見つめている。高揚感よ、充足したという実感よ、欲しくてたまらないのだ。
俺はスキルが何もない。誇れるものはひとにぎりの魂だけなのやもしれぬ。けれども、俺は、俺自身のため、俺が死んでしまわぬうちに、小さな体震わせて、叫ばねばならん。貴方のことが好きだなどという嘘を吐き、世界は嘘だらけだと偽の絶望をし、未来はないのだと自分さえ信じていない暴言を吐かねばならない。
俺の全ては偽善なのだ。それならば筋を通さねばいけない。大きな世界を語れぬことはようく知っているし、語ってはいけないことも承知している。語れる世界のことだけを、ただただ今までに覚えてきた言葉で語るのみだ。見えるもの、見えないもの、全て同一視する時代はとうに過ぎ、今は全てを無価値だと思う日々なのである。俺が無価値だと見なしたものが俺の胸をぶち破りやがる瞬間よ、それも求めている。
暴力に脅かされる日々を、僕は知らない。視線に犯される日々を、僕は知らない。知っているのは、快楽をむさぼるだけに終わる時間の、たった一部だけだ。それでも、そこだけを誇るように語るのだ。
奇抜なことをする必要のなく、けれども、単純というだけで終わってはいけない。突き刺さるものを、えぐって、突き抜けるものを。そればかりなのだが、それだけで良くはないかね?