閉口

とりとめもなくあふれているものが、確かにあるのだけれども、それが明確に言葉になることは決してない。
頭の中でまとめてから吐き出せば良いのか、吐き出してからまとめれば良いのか。できるものは同じかもしれないが、僕の思いが違うんだよ。あなたがたにね、この僕の、大きな大きな絶望の中で輝き続ける希望というものをね、何とか伝えてやりたいと、そう思ってはいるのだけれども、いかんせん、僕には決定的に足りないものがある。さりげなく言葉たちが尖っていく、その兆候を読み取ったのか、僕の思いはますます鋭敏になっていく。それが誰を突き刺すものなのか、自分ではないことだけを願い、他人であればそれを悼む。後悔だけだね、いつまでも。脱却したなどという世迷い事は、確かに僕の心の中に存在してはいるのだけれども、諦め、も少なからずまだ持っているからさ。
必要なのは、日常だ。
日常をきちんと、ちゃんとした文章で、とびっきり普通に描いていけること、望むよ。全部が全部奇妙で普通じゃぁない。あなたがたに共感してもらうこと、大事なのだ。あなたがたに笑ってもらうこと、大事なのだ。あなたがたが、大事なのか、と問われれば、それはわからない。僕に対する反応、を僕はいつでも求め続けすぎているのかね。他人がさ、僕とは全く違う次元で生きていてもそれはそれで良いと思うこと、必要なのだが、いつもいつも、自分の軸で考えてしまう。そんなことじゃぁ幸せになんてなりはしないだろう、くだらない、気持ち悪い、意味がない! 僕がそう思ってしまうことは、ただただ不幸だね、わかっているよ。
人に頼りたがるのは、不幸かね。最後まであの子が僕の近くにいてくれるというのなら、僕はもうそこに甘んじて生きていくよ! くだらないことは言わないでくれ! 偽善もどきはうんざりだ。僕は正真正銘の偽善が欲しいんだ。これはあんたのためじゃぁない、と言われることで、満足するのだ。
それだから、他人のために動けないというのに!
死ぬ、と日々思う。死にたいほどに格好悪い。死にたいほどに死にたい。死にたくなるほど死なない。そればかりだ。結局僕はぬるく生きていくのさね、君たちから少し離れた地に立ってさ。