メリー

幸せというもの、本当に存在した! 久々の驚きだ。ここにこんなものがあった、という驚きよりも、こんなものがここにあった、という驚きのほうが強い。
ある種、恐怖を覚えるのはなぜかね。
誰しも、絶頂期というものの、恐ろしさはわかっているだろうが、俺の中での頂点が変わった、これはやばい。天井が上へと上がっていくと、どこまで上っていいのやらわからなくなる。それに、落ちたときの恐怖も増すのだよ! そばにいて欲しいと、今までの一瞬一瞬を思いだし、性欲を抑える。だからそんなものが何だっていうんだ。僕はそれを汚らわしくさえ思うようになった、どちらも極端でくだらないのに。
大音量のロックだ、必要なものは。
OASISを聞く。かっちょいい。何を言っているのか、言葉の意味はわからないけれども、とりあえず、というレベルで心底かっこいいと思う。爆音だ! 耳なんてぶち壊してしまえ! 脳みそが溶け出すほどのロックンロールを願うよ!
そして手編みのマフラー。これ、俺がもらって良いのかね? これ、俺が巻いて良いのかね? 理解できない。意味がわからない。脳を蹂躙したあの瞬間から、俺はそう思いっぱなしだ。俺の今までの全てが壊れたわけではないけれども、俺という常識、ぶち壊されたように思うよ。
いつもびくびくしている。これはまずい、これはまずい、と思いすぎる。なんだろうか、これは。幸せというものなのかね? 俺が虫唾が走るほど嫌いだったものかね? 思えば吐き気がしていたものかね? なんてこった。
普通、じゃないか。
あきれ返るほど普通だ。おかしい、これは違うんじゃないか、混乱する。いいのか、こんなもので。いいのか? 俺は腐ってるんじゃないのか? 俺は気持ち悪いんじゃないのか?
あぁ、俺は、普通、なのだよ。
結論だ。オーケーオーケー。俺はただの一人として存在することに決めた。俺はただの一人としてあの子と向き合うことに決めた。俺は、ただ、自戒のためだけの、後悔や懺悔だけの、人生から、少し、脱却する! 見ているか? お前だ、お前に向けて送信している。これはお前への電波だ。
よし、ふざけたのろけはこのあたりで終了だ。俺にはこれ以上ポジティブな文は書くことが出来ない。いつか全てが過ぎ去った後に、残りを語ることとするよ。