TAKENOKO

流れ落ちるものは雨と汗、いつもこのぐらい頑張らないものだ、良しとしようじゃないか。頑張ればもっと良くなるだとか、そういうのは夢のまた夢、頑張らないから俺はここにいる。なんにせよ、お疲れ様。


嘘ばかりだと思う。俺の迷いなどあまりにもたいしたことのないものだと思う。少なくともね、俺程度の痛みはさ、皆しているのだ。とかなんだか言いながらも、はさまれている気がしている。はさまれてるっていうのはね、説明しよう。俺は自分ではない全ての人間に対し劣等感を持っている。これ、わかりますか、インフェリオリティコンプレックスです。でもね、一部の人間に対しては強烈な優越感を持っているの。これはね、スペリオーな方、気持ち悪いな、けれどそういうこと。それでもってね、そんななのに自分を普通だとも思っているわけです。だから言葉が上手く出ない。俺が、みなさん、だとか、あなた方、だとか言うのはね、そんな時はね、神聖化と言ってもいいほど人間を美しく思っているのです。俺は美しくない、もちろんわかっている。わかっているけれど、自分は狂っているとか、そんなこと言い出す輩はたいてい自意識過剰の可哀想な人でしょ? 知ってるんだ。血とか死とか、そんな子供っぽいものにあこがれるのはもうよした方がいい。本物の人が迷惑だろうから、本物なんてどこにもいないのかもしれないけれどさ。子供はいつも幻想を追い求める。それってファンタジー。いつだって伝説の剣を探している、指輪は火山に捨てに行く、ドラゴンは超強い。
そんな死にそうな顔して、つらいよ、なんて今時流行の真っ最中だよ。魔法使いは君に訪れない。人があんまり興味を示さないものが好きなんだろ? 少数派の自分が嬉しいんだろ? わかってる、わーかってるって。気持ち悪いな、近寄るなよ。話がそれた、いや、それてないか、全部俺の話だ。
だ、か、ら、何が言いたいのか。今大事なのは何を伝えたいか。説明が下手だけど、一生懸命やります。説明なんてものでさえないな、誰に理解してもらおうなどと言う腹積もりもないのだ。
それでね? 僕は言います。美しいあなた方と、こんなに汚い俺を同一に扱ってしまっていいのかと、そういうことなのです。僕ら。俺たち。仲間。みんな。どれも、あなた方に俺を含んでいるから、俺は上手く使うことができない。わからないんだ、これ、使い方。例えばの話、僕らは恋をする、こんな文があったとする。恋をする、それだけなら良い。でも、僕ら、が使えない。僕の恋は本当に、あなた方の恋と同じですか。あなた方は素晴らしいのに、素晴らしくない僕と同じですか。そんなことはないと思うのだ。だから、僕ら、は使えない。
一般論です、なんて言ってしまえば良いのだろうけれどね、一般ってのもわからない。そもそも俺が一般ではないだろう、だとか思う、そんな思いは劣等感からだ。俺くらいの痛みなど皆持っている、という言葉には、俺の汚さと同じものをあなた方に押し付けるという行為も含まれている。畜生、これも押し付けなのだ。あなた方には美しくあってもらいたい、という言葉には、俺の主観での美しさを押し付けるという行為が含まれている。俺の言葉は嘘ばかりだ。俺の言葉は欺瞞ばかりだ。


嫌だ。音楽は音楽で判断したい。脱いだら偉いとかステージの上で勃起したら偉いとかギター折ったら偉いとかそういうことじゃないんだ。でもそんな話聞いてしまったら、ロックだなんて思ってしまう。仕方ないだろ、普通脱がないものな、ステージの上では。


日記を書くブログが嫌いだった。そんなもの自分で分厚目の日記帳買って、それに書きこめと言いたかった。構って欲しいばっかりか、って思っていた。だけれど、ちょっとだけ好きになりました。たまたま見たそんな場所でね、俺の知らないオンナノコが、俺の知らない誰か(きっと彼氏さんなんだろうけど)に向かってラブを発信してた。等身大で凄く良かった。吐きそうになった、真っ直ぐすぎて。きっと俺に見られることなど考えて書いてませんよね、でも俺は読んだ、読んでやったぜ。俺の知らないところに、俺の知らない女の子と、その子が好きな男の子がいて、そういうのはとても素晴らしいことだなぁと思ったのです。女の子は凄く可愛い生き物だなぁと思ったのです。たとえ猫被ってたとしてもさ、俺はずっと猫だけ見ていればいいんだから。
あ、でもね、未だに母音をちいさくする文化は一歩引いて見てしまいます。可愛いからやってるのだろうか、誰かに聞いてみたいのですが。