思考放棄

夜。
長く起きていればいるほどに、どうやら心臓の重さが増加していくようだから、眠くなったら寝ないと駄目だ。そう考えているが、いつまでたっても眠気は訪れない。眠くなくても、寝なければ。また落下の連鎖が訪れてしまう前に。
一応、調子のいい状態が続いている。ことあるごとに転落しそうになるが、ベタな例えだが、綱渡りするかのように、保っている。俺は、ただできることを全てやって、その上でえへらと笑う。
今は、やりたいことが、目に見えるものが、一応の合格点をクリアしているから、なんとか歩いていられるのか。ひとつでも落第点を取ってしまえば、そこから堤は決壊する。当たり前だろ、水をためすぎなんだよ、俺は。もったいない、もったいない、と思ってしまってさ、放水することもせずに。結局決壊するまでもなく、あふれ出してしまうんだ。わかっちゃいるけどさ、なーんにもわかってないんだな。

今日は、嘘を、吐いた。自分を守るための嘘で、他人を傷つけるための嘘で、人を貶めるための嘘で、自分をよく見せる嘘で。
だからさ、これは正当防衛だよ。

思い出して、急激に地面に引っ張られそうになる。這い蹲るのはもういやだ。もういやだ。もういやだ。
『もういやだ』も足を引っ張る。マイナスのマイナスはプラスじゃねぇのか? なんだか全部が負じゃねぇか。いわゆるそういうこと。思考が働かない。暑さのせいか、あるいは。
もういやだ。
駄目だ、もっとポジティブなことを思い出せ、ポジティブなことを書くんだ。

「嘘をつくと泥棒になるよ!」
「本当のことを言ったら仲間はずれになるんだ!」
 メルヘンだ。この世はメルヘン、あるいは寓話。だからさ、少年、正義は必ず勝つんだぜ?


私信、昼間の暑いうちでも頑張っている君らへ。君らは俺の200倍は凄いから、もっと凄くなると、きっと3000倍は偉いです。以上。


眠くなったら、寝る。