KUCHIKU

喧騒を瞬時に一掃する落下。
殴りすぎで頭も拳も痛いだけ。それでも叩き付ける。なにもない。ここにはなにもいらない。すばらしいことなど何ひとつ必要なく、綺麗なものも汚いものも等しく無価値だ。怖い。
怖い。隙間が全て怖く、空間が全て怖い。何かが俺を見ているに違いない。もっぱらいつもの感覚となってしまっているが、それでも吐く。胃液しか吐くものがなくなってしまってからも、頭痛は止まぬ。全て俺のせい。全て自分のせい。全て僕のせい。一貫性がない。昨日生きると言った舌で死ぬと言いふらす。痛いだけだ。痛いだけ。痛い。
吐く。
キチガイか。


袋。
気付けばまーた過呼吸だ。こりねぇな俺も。吐く。
あの人たちに見せる顔がない。励ましはすぐに重荷となる。期待はすぐに絶望へとかわる。意味をなさない。価値をなさない。必要ない。いらない。


かっこつけの音楽ばかり聞いている奴と、うすら笑いで話す。吐く。気持悪い。
気持悪い。
夏がやってくるのが恐ろしい。期待、羨望、吐く。秋がやってくるのが恐ろしい。期待、羨望、吐く。今からの時間が恐ろしい。吐く、吐く、吐く。栄養もなにもあったもんじゃねぇ。
脳が死ぬ。