KUSSETSU

嘘いつわり。あの子はちゃんとしたあの子なのに、俺はどうしようもない。苦痛ばかりを列挙している。俺には今、逃避しかなく、全力で俺以外の俺を演じるか、俺を演じるか、どちらかだよ。
あの子と会ってきた。まるで楽しくもないのに、楽しい俺を演じてきた。よし、俺はまだまだいける。なぁ、頑張れといわれたよ。これ以上頑張ったら分解してしまうよ。今でさえも、頑張れていないにもかかわらずいっぱいいっぱいだ。駄目だ。
全てが、等間隔で歪む。根が非モテなのに、モテの領域に足を踏み入れすぎたのかもわからん。踏み入れられていないとしても、俺にはもう重過ぎる。楽しくもないのに笑い、面白くもないのに相槌を打ち、したくもないキスを。思い上がりだってのはわかってる。わかってるけど重いんだよ。
捨てることができぬ。あの子が悪いわけではないのは俺が一番よく知っている。だから、俺は話すことができない、その手を。引くのには疲れた。引かれて歩くのも、足が痛くなるだけで。
主夫になりたい。帰ってきた誰かを、おかえりと出迎えるだけで、俺は良い。そのあとに抱擁されようが、何されようが、俺は全て受身であって、受動的ではない。その誰かのことだけを考えて、ひがな暮らす。それだけ。
仮面をつけてるんじゃないよ。曇りガラスが目の前にあるだけだ。そっちからこちらが見えないかもしれないが、俺からもそちらは見えないのだよ?


あぁ、そうそう。名も知らぬあなたの、web拍手のコメント、少なからず俺を助けてますよ。俺も大好きだよ、らぶ!