TSUNDERE

結局のところ、全ては杞憂で、ぼんやりとした不安、に過ぎないものなのか。
なんでもできると思えた時代はもとからなかったかのように思えるが、現状から考えると、当然のようにも思える。一個の死骸であった俺だが、少なくともロメロのゾンビ程度には歩けるようになった。だからこそ、目に付くものにかぶりつくのだ。どうやら全てが美味しそうなのだが、口に含めば、まずいのだ。何もかもが美味しくない。
なだらかに、時に急激に、興がそがれ、精神の落ち行くのは、俺だけが感ずるものではないだろう、と俺は信じているのだが、どうなのかね、一人一人が感ずることは一人一人違い、落ちてゆくさまも一人一人違うのか、俺は自身の様を細部にわたるまで見透かそうとしつつ、他人に対して盲目的にその疑問を投げかけ続けている。
攻撃されることに対しての免疫は全く無いのだから、俺は壊れてしまいそうになる。しかし、ちゃぁんと死なないでいるのだ。何故ならば、あいつが、俺を醒めた目でずっと見ているからであり、俺にはその視線が不愉快でたまらないからだ。視界に入ってない、認識さえもしていない、お前はいないのだ、と言われているようで、どうやら俺は腹の立っているようだ。何に対しての怒りなのか、最終的には自己に集約するものだろうが、数度他人の間をそれは巡るだろう。
今の現状は、果たして、昔あったものだ。今度の解決は、昔のようにならないようにせねばならぬ。俺が壊れるのは仕方ないのだが、あいつが、醒めた目のまま壊れていくのはみていられぬ、な、俺はツンデレなんだよ。