BAITA

女を村の外れで犯した
キスを求める唇が重低音で
愛してとうわごとのように
呟き喉ごと抱きしめて?
死ねよ売女

僕は、ぼうっと、頭だけを働かせてひらめいた言葉に、それが僕自身から出てきた言葉でも感動することさえある。これなんていうのは、ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐると頭をひねっていた時間の中で、今日、最も俺をぶっばらした言葉の流れだ。ひどく気に入り、ニヤニヤと頭の中でまわし、あぁ、こいつはすごい、と微笑む自分を罵倒するも、やはり気に入ったので、怒りさえ浮かべながらも、ぐるぐるぐるぐるぐるぐるする。
自己満足だ。それ以上でもない。けれど、最低ではない。
くだらない言葉を積み重ねていく俺を、どうしてあの人は好いているのだろうと思い、もしかすると俺の見える場所すべてが偽りであって、視界の外側にこそ真実のあるのではないかと苦悩する。あの子を、勇ましいだけの思いで壊してしまいたいがために、俺は言葉を重ね、貫くのか。ほとほと疑問だ。
しかし、なんとなしに浮かんだ単語の群を並べてみれば、やはり何か形はできる。明日、もしくはずっと先に、見返して、今の俺を恥じることのあるだろうが、そんなことは気にすべきことじゃぁない。