HIKIKOMORI GIRL

僕には非常にもったいなく、ありがたい出来事があったことにたいして。
感謝、あるいは、素直に嬉しい、とだけ思うにとどめておくよ。やはり、君が居るから僕はこうしていられるのだ、という、押し付けがましい感情は、伝えれば伝えるほどくすぐったいものとなって、汚いものを消していく気さえする。欲望、特に、性欲の権化ですらあるそのものを、あの子に伝えて、自分、そしてあの子にも、嬉しくなってもらうことは、可能ではあるのだろう、と、ひたすらに前向きに思うことにした。恥ずかしい、と思う気持ちはどれほどか、要は俺がチキンだっていうそれだけのことに集約されはするのだが、それだけではない、と信じる心も心なしかあって、その風な青いものを、何故だか大事に思うのである。
ポジティブな気持ち、表せているかね。久々にね、夜にこんなにハッピーだ。これは何かが変わったかもわからんね。こんなもの、明日の夜になれば綺麗さっぱり消えていて、何事もなかったかの風になっているのかもしれないけれど、今日この日あったことは、馬鹿みたいに美しいこととして、記憶していようと思う。
面白おかしくさ、語り続けることは出来るだろうけど、ぐだぐだなこの気配、感じて欲しいんだけれどもね。不幸に慣れていないのはもっともだけど、幸せ、語ることも難しくて仕方がない! 変化、という恐怖なのだ。不変、という逃げ場なのだ。
よし、いまだ思い出せる。顔を赤らめることだって、今なら器用にやってのけられるよ。不機嫌な顔で、また周囲をぼうっと眺める生活に戻るまでは、それが一ヵ月後なのか一週間後なのか、はたまた明日なのか、一分先なのかはわからないけれど、それまではにやついていよう、と心に決めたね、気持ち悪い。
チャンス、機会、最後のものだったかもしれないが、約束したから、それをたよりに、これからなんとなくは生きていける。
わかった、麻薬か、つまりは。