ドラマ太宰治

豊川悦司演じる太宰は良い。なかなかにファニーでなかなかにシュールだ、それに、ある程度イントレスティングでさえある。脚本を書いた人間を軽く賛美したい。これでね、太宰を読む人間が増えること、それはとても嬉しいことなのだ、一介の太宰フェチである僕としては。
多分にね、影響を受けた作家としての太宰を語ることは、恐れ多くて出来ないし、それをしてしまうととんでもなくかっこ悪いのは、そりゃぁわかりきっている。だけどね、太宰のロマンティシズムだけはどこまでも理解したいと思い、つまりは彼の文を読み漁るしか僕には能がないわけだけど、それだけは、僕の作っていくものの中に、侘しさという簡単な単語で、表現していきたいと思うのだ。入水自殺、心中がかっこいいわけじゃないけど、それにあこがれる気持ち、多少でもあるのだから、どうしようもない。太宰は僕のバイブルだ、と言い切れるかっこ悪さ、僕はいくらでも持っているから。
文体、結局、文を存在させてゆく技法としては、やはり、太宰の影響を受けたと言わざるを得ないし、ありがちな劣化コピーでさえある点でさえも、いや、コピーさえできていなくても、認めて、それをなんとか昇華させていこうと思うのだが、それには、もっと簡略な言葉で、ただしかし、豊富な語彙で、書いていくだけなのではないかとも思え、でもそれではくだらぬ思いを、くだらぬ思いとしか、表現できないとも思うのだ。
つまりは、僕が太宰好き好き大好きだよってことだけ。