きれいごとだけで生きていければ最高なのに。少しばかりの汚さや、苦笑いや、そういうのばかりの自分が目につく。自己否定して悦にひたってるわけじゃない、ただ少しだけがっかりしたんだ。思えば、あのひとを嫌いになってから、ずっとずっとそんな感覚が頭を撲殺しつづける。涙はもうためられるだけためきったんだよ。君からの全てが僕の歯を尖らすだけなのに、僕はそうして歯を磨いてばかりいる。噛みつく相手のことはもう忘れてしまいたいのに。きれいごとだけで生きていたいんだ、僕は。もしかすると貴方に噛みついてしまう前に。ただきれいごとのありがとうを告げて海へ行きたかった。