花束

僕は美しくあれていますか? 誇張じゃなくて妄想でもない美しさなんていう素晴らしいものは、まるで持てていないでしょうね。でもそんなものはふざけてると僕は思うんです。本質の自分が自分にだけにしか、わかっていないように、本質の美しさなんて持てるはずがないんです。でも、僕は切にそれを求めます。それは決して貴方のためじゃなくて、僕が自分のために必死な顔でやっていることなのです。なのに、貴方は滅茶苦茶に美しい笑顔で『ありがとう』なんて言うんだ。なんでかなんかには興味がないけれど、笑顔が咲けばそれは僕を裂くよ。くだらない言葉遊びをしなければやってられないんだ。やはり、僕はただ美しさを求めてるんです。それがもしかして貴方の美しさに関係があるのなら、僕は嬉しいかもしれません。貴方の笑顔を大好きに思えることに、僕は嬉しさを感じているはずです。陳腐で、簡単な気持ちを持てることに嬉しさを。貴方に花束を捧げた僕はまだ死んでいませんよ。十八歳の誕生日に十八本のバラを! そんなロマンス! 美しい貴方に最高に美しい賛美を! それだけで良かったのに!