ひとつに

最終的に、そう、最後は、僕は貴方とひとつになりたいと思っているわけなんです。貴方と共に、まるっきり欲望やなんやかんやに身をまかせて生きるなんて、考えるだけでその………狂っているように感じませんか。ま、僕はそこまでは思いませんが、ただ、そうすることが貴方にも僕にもまるでよくないということだけは信じたいんです。そんなことではひとつになんてなれないと信じたいんです。何故ってそんなことで、そうなれたら、まるっきりくだらないと思いませんか、恋愛なんて。もしかすると、まるでくだらない物なのだ、と誰かが僕に言うかも知れませんけど、そんな時は、僕はにこりと笑って『でも僕は今、恋をしてるんだ』とだけ言うでしょうよ。でも、そんな夢みがちな人間でさえも、貴方とひとつになることを望むんです。だから、そのうち僕は、欲望だけの言葉をできるだけの砂糖でつつんで、貴方に言うでしょう。『貴方が欲しい』とかなんとかほざくでしょうよ。その時は貴方、少し怒ってそのあと少し笑ってくれるなら、僕は欲望だけのくだらないことを少しの間、考えずにすむかもしれません、ね。