思う存分見切り発車

よしよしよしよし、存外に調子がいい! 俺はいける! どこまでもだ! 飛行機など要らぬ。この足が二本あるからさ。時速二百キロメートルとは行かないまでも、二十キロメートルくらいはコンスタントに出せるだろ。すくなくとも、あと数日間の間は何とか突っ走れるのではないかと信ずる。毎度毎度すいません、いつものように、錯覚だろうか? そうでないことを毎度毎度すいません、いつも願う。
ね、頑張っている君らにこのあれだ、オーバーヒート気味なテンションを、捧ぐ。なぁ、もしかすると迷惑かな? でもさ、いつもながら自分勝手で悪いけど、空回りばかりでも、今このときは気にしないでいられる。見渡す限り、どこまでもどこまでも、多分地球の反対側までもかな、美しい。おどろおどろしいものや、恐ろしいものや、たーくさん目の前にいるのだろうが、子どもの頃信じていた階段に住む天狗のように、見えなくなった。雨上がりの灰色の夜空に、フェミニンなものを感じつつ、ゆるやかな音楽を聴く。永遠続けばいいのだ、この時間がさ。少なくとも、どんなに短くとも、できればこの夏の終わりまでだ。この夏が打ち上げ花火のように終わってしまえば、俺の役割は、いったん終わる。それまでだ。それまで、このコンディションを、ただ俺は願うよ。
大好きな人々が、俺の近くにいてくれる。そういうこと、信じなければ駄目だよ、やっぱりさ。そこからがスタートなんだよな? あの人が、昨日一日、俺のメールの相手をしてくれた。別のやつも、こんな俺にメールしてくれた。俺は、きちんと笑う。あの人らが、俺の支えだよ。もしあの人らがトラックに轢かれそうなら、俺は身を挺して助ける覚悟さ。ま、こんな俺だから、助けきれずに二人とも、何て展開がふさわしいか? どうでもいいけれど、ただ、あの人らが、すばらしい時間を過ごすことを、望む。俺がいつもいつも不機嫌な顔だから、余計な迷惑かけちまうな。できるだけへらへらしてることにするよ、な、この時間が続く限りは、だ。俺が真面目な顔ができないのは君らの知っている限りだから。
好きな子が、好きでなくなった日から何日たつか、思い出すこともなくなった。ねぇ、そろそろ誰か、好きになる時でしょ? 性欲なんつー物も忘れかけちまうからな。俺はさ、このちっぽけな身を持って、全身全霊、全肯定できる人を、いつでも探してるんだ。あの子が、そうだったからかな。ま、俺にしちゃ上出来だった。自分を肯定するわけじゃないが、チキンな俺にはあれが精一杯だった。馬鹿にしないでくれよな?


さて、ぼんやりと昨日のメール、読み返す。

大丈夫だよ、ぜんぜん普通だから

ありがとう。その言葉はとりあえず、信じておくことにするよ。