SHINEorSHINE

ぶち殺したいくらい嫌いな奴が、ひとり増えた。
顔を見るだけで、声を聞くだけで、うんざりする以上に、異常に吐き気を催す。二秒後に死なねぇかなぁ、と二秒おきに考え、腹立ちをただただフラストレーションに変える作業を続けていた。
ひび、亀裂、を入れることによって、それが大きな空間になってしまうには余り時間はかからないだろうから、やろうと思えばすぐにでも可能だ。ただね、面倒で仕方がないから、少し迷っている。自分が使う労力が少しでも増えることは、どうしようもなく怠惰な時間を好む僕としては、早く終われと願うばかりの時間となるだろう。
とにかく、ぶち殺したい。
人に限らず、日常生活における何気ないことにさえ、憎悪する、嫌悪する、吐き気を覚える。それが前々から腐っていたかのように、見えるのだ。だいたいね、僕は、僕という存在の中、脳髄をぶちぬけていく意識の中で、僕は絶対な存在だとしていないと、僕を保つことが出来ないのだから、自己以外をおじゃんにしていくことでしか、まっすぐさを見出すことが出来ない。まがったことがそこにあって、それで僕が否定されて、受け入れなければならない状況、つまりは、僕がどうしようもなく間違っている、というばかりな時なのだが、だとしたら、それは受け入れるさ、だけれど、ただ単純に、人生という素晴らしいものに対しての飽きは深まっていくね。うんざりなんだ、もう。
楽しいだけの世界をくれよ。労働の快感や、恵みの感謝なんかなくて、ただ快楽だけがある世界に生きたい、と、部屋の明かりをふと消したときに、思う。寝る前、の回想時間なのだが、その時にもそればかりそればかり考えている。最後まで嘘の快楽ならば、俺はその中で良いよ。最後まで気持ち良いのなら、全ての努力を放棄する!
本気で死にたいと思うことは、もう冗談の範疇になってしまったから、綺麗に生きる、ということを大真面目に、語るべきなんだろうよ、それがどうにも美しい顔をした化け物に見えて仕方がないわけだけれども。
つまりはね、僕の美学の中で事を終わらせてしまうには、僕が死んでしまう以外にどうしようもないわけだけど。
日々えぐれていく。